パートナー 弁護士・弁理士 王勇

 

    デジタル経済とグローバル化の背景において、技術標準は異なる技術や製品を接続し、相互接続性と規模の経済を促進する鍵の要素となっている。しかし、これらの技術標準に採用された標準必須特許(Standard Essential Patents, SEP)はその特殊性により、特許権者が関連市場において顕著な市場支配力を獲得する可能性をもたらしている。この市場支配力が乱用されると、競争を排除・制限し、革新の活性や消費者の利益を損なう恐れがある。したがって、いかに革新の奨励(SEP権者の合法的権益の保護)と公平な競争の維持(SEP権者の市場での支配的地位の乱用防止)のバランスを取るかは、各国が独占禁止法に関して直面する共通の課題となっている。

 

    中国は世界有数の製造業拠点および技術革新大国として、SEPに対する独占禁止規制をますます重視するようになっている。こうした背景において、国家市場監督管理総局は2024年11月4日に「標準必須特許に関する独占禁止ガイドライン」(以下「本ガイドライン」という)を公布し、これは、SEP分野の事業者に行動指針を提供するとともに、独占禁止執行機関に執法上の参考を提供することを目的としており、中国の独占禁止執行機関が標準必須特許分野で公布した重要な規範的文書である。本稿では、本ガイドラインを体系的に分析し、これを基に評価を行うことで、その深層的な意味と潜在的な影響を明らかにすることを目指す。

 

一.標準必須特許と独占禁止規制の理論的基盤

    

    本ガイドラインと本稿において、SEP権者には標準必須特許権者および関連権利者が含まれ、標準必須特許権を保有する事業者または他者に標準必須特許の実施を許諾する権限を有する事業者を指す。

 

    標準必須特許の特殊性は、技術標準との緊密な組み合わせにある。いったんある特許が強制標準に組み込まれると、当該標準を実施する製品はいずれも当該特許を使用せざるを得なくなる。この必要性は、SEP権者に通常の特許権者とは異なる市場地位を与えるとともに、独特の独占禁止上の問題をもたらしている。

 

    標準必須特許には通常、以下の特性がある。

    1.技術的ロックイン効果(Technological Lock-in Effect):代替不可能性とも呼ばれ、いったんある業界で特定の標準が採用されると、実施者は他の技術や標準への転換が困難となり、当該標準およびそれに含まれるSEPに「ロックイン」される。これにより、SEP権者はライセンス交渉において優位な立場を占める可能性がある。

    2.パテントホールドアップ(Patent Hold-up)効果:SEP権者が標準が広く採用された後、実施者の転換コストが高額であることを利用し、許諾条件(不公平な高価格など)の受け入れを強いる行為を指す。これは「ライセンス料累積」の問題を招く可能性が高く、すなわち、製品に含まれるSEPが多く、総ライセンス料が過度に高くなり、革新や製品販売を抑制する結果をもたらす。

 

    上記のパテントホールドアップに対し、特許のリバースホールドアップ(Patent Hold-out)も生じ得る。これは、標準実施者がSEP権者が差し止め救済を獲得し難い特性を利用し、意図的に交渉を遅延させたり、合理的なライセンス料の支払いを拒否したり、さらには無償でSEPを実施する行為を指す。この潜在的なリバースホールドアップの乱用は、SEP権者の合法的権益と革新意欲を損なう可能性がある。

 

    SEPの上記の特殊性に関し、標準策定機関は通常、SEP権者にFRAND(Fair, Reasonable, and Non-Discriminatory:公平、合理的かつ非差別的)原則に従った許諾を承諾することを要求している。ここでいう公平(Fairとは、許諾条件が両当事者にとって公平であり、SEPのロックイン効果を利用して過剰な利益を謀らないことを要求することを指す。合理的(Reasonableとは、ライセンス料率が合理的であるべきことを指し、通常、特許の価値、標準への貢献度、比較可能なライセンス契約などの要素が考慮される。非差別的(Non-Discriminatoryとは、条件が同一の被許諾者に対して、同一の許諾条件を提示すべきことを意味する。

 

    しかし、FRAND原則が広く採用されているにもかかわらず、その具体的な意味合いは実務上なお不明確であり、特に「合理的」なライセンス料率の決定について、統一した算定方法がないため、交渉困難と紛争を頻繁に招いている。

 

二.本ガイドラインの核心的な内容の分析

 

    本ガイドラインは全6章22条から構成され、乱用行為の認定基準を細分化するとともに、FRAND原則、善意の交渉、事前・

 

    監督の重要性を強調し、中国におけるSEP独占禁止規制の枠組みを体系的に構築している。

 

1.総則と基本原則

 

    第1章(第1条~第5条)は総則部分であり、その目的は知的財産権の保護と公平な市場競争のバランスにあることを明確にしている。関連市場の画定について、本ガイドラインは独占禁止法の一般原則を採用しつつ、SEPの特性を組み合わせて、技術市場と標準を実施する製品・サービス市場を明確に区別し、需要代替と供給代替の分析を行う必要があることを強調している。需要代替分析(消費者の視点から分析する)とは、ある商品の価格が小幅かつ持続的に上昇した場合、消費者が他の商品を購入するようになる可能性を分析することを指す。消費者が他の商品を購入するようになる可能性が高い場合、それらの商品は高い需要代替性を有し、同一の関連市場に属するとみなされる。供給代替分析(生産者の視点から分析する)とは、ある商品の価格が小幅かつ持続的に上昇した場合、他の生産者が短期間かつ低コストで生産設備や技術を調整して当該商品を生産し、市場競争に参加できるかを分析することを指す。他の生産者が迅速かつ低コストで参入できる場合、それらは強い供給代替性を有し、同一の関連市場に属するとみなされる。上記の代替分析は、SEPが有する特殊な市場支配力の源に対する深い理解を反映している。加えて、本ガイドラインは事業者に対して、独占禁止コンプライアンス体制の強化と事前・事中監督メカニズムの構築を奨励し、予防を主とする理念を反映している。

 

2.情報開示、許諾承諾および善意の交渉

 

    本ガイドラインの第2章(第6条~第8条)は標準必須特許の情報開示、許諾承諾および善意の交渉に関する内容であり、本ガイドラインの注目ポイントの一つとして、FRAND原則の実現に対する詳細な指針を提供している。

  1.     1) 情報開示:標準の策定・改訂に参加する事業者に対し、自らが保有しているSEP情報を適時かつ十分に開示することを明確に要求するとともに、参加していない事業者に対し、自らが保有または把握している必須特許の開示を奨励している。開示を怠ったり、権利放棄後に依然として権利を主張する行為は、当該行為が競争を排除・制限するか否かを認定する際の重要な考慮要素となる。これにより、市場の透明性が向上し、情報の非対称性が軽減される。
  2.     2)許諾承諾:FRAND原則がSEPライセンス交渉の重要な原則であることを強調し、SEP権者が特許を譲渡する場合、FRAND承諾が譲受人に対して同等の効力を有することを明確にしている。これにより、特許の譲渡を通じてFRAND承諾を回避する行為が効果的に防止される。
  3.     ​3)善意の交渉:これは本ガイドラインの革新的要素であり、善意の交渉の手順と要求を詳細に挙げており、SEP権者が明確なオファーを提示すること、実施者が善意の意思を表明すること、両当事者がFRAND原則に従った案を提示することが含まれる。また、両当事者はともに善意の交渉義務を履行したことの立証責任を負い、実施者が交渉中に特許の必要性や有効性に対して異議を唱える権利が影響をうけてはならないことを明確にしている。これは、パテントホールドアップとリバースホールドアップの解決に向けた実践的手段を提供している。

 

3.独占的協定の規制

   

本ガイドラインの第3章(第9条~第11条)ではSEP分野における独占的協定の判断基準を細分化しており、主に以下の内容が含まれる。

  1.     1) 標準策定及び実施過程における独占規制協定:正当な理由なく特定の事業者による標準策定への参加を排除する行為、競争的標準の実施を制限する行為、または特定の実施者による標準に基づく試験・認証を制限する行為等を規制している。その目的は、標準策定プロセスの開放性と競争性を保障することにある。
  2.     2) パテントプール(Patent Pool)関連の独占規制協定:パテントプールとは、2つ以上の特許権者が、契約の締結や専門機関を通じて、それぞれの特許を集約し、共同で第三者に許諾するビジネス上の取り決めを指す。本ガイドラインは、パテントプールが取引コストを削減するという積極的な役割を認めつつも、競争に関する機微な情報の交換、競争的な特許のパテントプールへの組み入れ、個別ライセンスの共同制限などの潜在的な独占リスクを規制しており、これは、効率性と競争のバランスを考慮した対応を反映している。
  3.     3) その他の独占規制協定:価格、数量、地域、品質の制限、および競争的技術の開発制限などの従来型の独占規制協定の種類をカバーしている。

 

4.市場での支配的地位の乱用の規制

 

    第4章(第12条~第18条)は本ガイドラインの重点かつ難点であり、SEP権者による市場での支配的地位の乱用行為について詳細に定義、分析している。

  1.     1) 市場での支配的地位の認定:「独占禁止法」の一般的要素に加え、特にSEP権者の関連市場におけるシェア(代替標準がない場合には市場全体を占めうる)、関連市場を支配する能力、下流市場のSEPへの依存度、特許権者がライセンス市場に参入する難易度などその他を考慮しているため、SEPの市場での支配的地位の認定をより的確に行うことができる。
  2.     2) 不公平な高価格ライセンス:ライセンス料が過去の比較可能なライセンス料を明らかに上回っていないか、期限切れの特許、または無効特許に対して料金を請求していないか、ライセンス料を合理的に調整しているか、重複請求していないかなど、複数の考慮要素を挙げており、「不公平な高価格」の判断に対して具体的な基準を提供している。
  3.     3) 許諾拒否:SEP権者がFRAND承諾を行った後、正当な理由なくライセンス取得を希望するあらゆる標準実施者に対して実施許諾を拒否してはならないことを明確にし、正当な理由の判断要素(実施者の信用不良記録、不可抗力など)を挙げている。
  4.     4) 抱き合わせ販売:包括ライセンスの効率性上の利点を認めつつも、正当な理由なく非SEPや必要でない製品の抱き合わせを強制する行為を規制し、業界慣行への適合性、技術的合理性、分割実施の可能性などを考慮している。
  5.     5) その他不合理な取引条件の追加:無償による逆実施許諾を事前条件とすること、強制的なクロスライセンス、実施者による特許有効性への異議申立ての制限、紛争解決手段または地域の制限、第三者との取引の制限、競争技術の開発の制限、無関係な情報提供の要求など、複数の不公平な条件を詳細に挙げている。これは、SEPライセンス交渉で生じうるあらゆる不公平な条項に対する包括的規制を反映している。
  6.     6) 差別的対応:SEP権者が正当な理由なく同一条件の標準実施者に対して差別的対応を行う行為を規制し、交渉のタイミング、市場の背景、実施者の条件、ライセンス条件が実質的に同一かどうか、差別的対応が競争に著しく不合理な影響を与えるかどうかなどの判断要素を挙げている。
  7.     7) 救済措置の乱用:これはSEP分野における独占規制の重要な課題である。本ガイドラインは、SEP権者が差し止め請求権を有するが、善意の交渉を経ずに救済措置を乱用して実施者に不公平な高価格または不合理な条件の受け入れを強制する場合、市場での支配的地位の乱用行為に該当する可能性があることを明確にしている。これは、国際的な差し止め請求救済に対する慎重な態度と一致し、「パテントホールドアップ」の発生を防止することを目的としている。

 

5.事業者集中審査

 

    事業者集中とは、2つ以上の事業者が合併、株式または資産の取得、契約の締結などの方法を通じて、他の事業者に対する支配権または決定的な影響力を取得する行為を指す。本ガイドラインの第5章(第19条~第20条)は、SEPを事業者集中審査の範囲に組み込み、SEPがカバーする製品またはサービスが独立した事業を構成しているか、独立した営業収益を生み出しているか、SEPの許諾方式や期間などの要素を考慮している。審査においては、集中によって生じうる競争の排除・制限効果を除去または軽減するために、関連資産の売却、FRAND原則に従った許諾、抱き合わせ販売の禁止などの制限的条件を追加することができことができる。

 

三.本ガイドラインの特徴と評価

 

    本ガイドラインの策定は、中国がSEP独占禁止規制分野において重要な一歩を踏み出したことを示しており、以下の顕著な特徴がある。

    1. FRAND原則の核心的地位の強調
 本ガイドラインは、FRAND原則をSEP独占禁止規制の核心に位置付け、情報開示、許諾承諾、善意の交渉、市場での支配的地位の乱用行為の認定などの各段階に貫いている。これは世界の主要な司法管轄区域の実践と一致し、中国のSEP規制における国際的視野とFRAND原則の重要性への賛同を反映している。FRAND承諾の拘束力およびその譲受人への伝達性を明確にすることで、潜在的な抜け穴を効果的に塞いでいる。

    2. 乱用行為の認定基準の細分化と実効性の向上
 本ガイドラインは、不公平な高価格、許諾拒否、抱き合わせ販売、不公平な取引条件の付加、差別的対応および救済措置の乱用などの市場での支配的地位の乱用行為について、多数の具体的な考慮要素を挙げている。このような細分化は、執行機関による行為認定の正確性と一貫性を高めるとともに、事業者に対してより明確な行動指針を提供し、コンプライアンスリスクを低減するのに役立つ。特に「善意の交渉」手続きに関する詳細な規定は、SEP許諾の紛争解決に重要な実践的指針を提供し、訴訟の減少と協議による紛争解決を促進するのに役立つ。

    3. 事前・事中監督とコンプライアンス構築の強調
 本ガイドラインは、事業者による独占禁止コンプライアンスの構築の強化を奨励するとともに、執行機関が注意喚起・督促、面談による是正などの方法を通じた事前・事中監督を許可している。これは、中国の独占禁止執行が「事後処罰」から「事前予防」および「事中介入」へと転換することを反映し、独占行為が発生する前の介入によって社会的危害を軽減し、市場の健全な発展を促進するのに役立つ。

    4. 知的財産権保護と競争秩序維持のバランス
 本ガイドラインは複数の条項において、「知的財産権の保護と公平な市場競争の維持を両立させる」こと、および「標準必須特許権者と標準実施者の利益を均衡させる」ことを繰り返し強調している。例えば、許諾拒否の規制においては実施者の信用不良記録などの正当な理由を挙げ、抱き合わせ販売の規制においても包括ライセンスの効率性上の利点を認めている。このような均衡理念が一貫して貫かれており、過度な規制による革新の抑制を回避するとともに、独占行為を効果的に抑制することを目指している。

    5. 国際的実践との連携と中国の特徴
 本ガイドラインは、FRAND原則の運用や差し止め請求救済への慎重な態度など、SEP独占禁止規制分野における国際的な成熟した経験を参考にしている。同時に、パテントプールの規制、事前・事中監督の強調など、中国市場の実情や執行実務と組み合わせ、中国の特を反映している。

 

四.本ガイドラインの潜在的影響と課題

 

    筆者は、本ガイドラインの策定が市場主体の行為に対して以下の効果をもたらすと考えている。第一に、FRAND原則に従ったライセンス交渉の規範化を促進する。善意の交渉に関する詳細な指針は、SEP権者と実施者のライセンス交渉での行動をより規範的にし、透明性を高め、情報の非対称性を軽減し、交渉効率を向上させる。第二に、パテントホールドアップのリスクを低下させる。不公平な高価格、許諾拒否、差し止め請求の乱用に対する規制は、SEP権者がロックイン効果を利用したパテントホールドアップを抑制し、標準実施者のコストを削減するとともに、革新と製品普及を促す。第三に、独占禁止法コンプライアンス意識の向上につながる。明確な指針は、SEP権者、標準策定機関、およびパテントプール管理運営者に対して、独占リスクを未然に防止するように、内部の独占禁止法コンプライアンス体制の強化を促す。

 

    SEP事件は通常、複雑な法的・技術的問題を伴うため、本ガイドラインの専門性は、法執行担当者がこのような課題をより良く理解し、対応するのに役立つ。法執行実務の観点から見ると、本ガイドラインの公布は明確な法執行根拠を提供し、独占禁止法執行機関に対して、SEP分野においてより具体的かつ実践的な根拠と分析の枠組みを提供することで、法執行の効率性と一貫性を高める。また、法執行の透明性を促進でき、詳細な考慮要素と分析方法は、法執行機関が事件を処理する際の透明性を高め、裁量権の乱用を減らし、法執行の予見性を高めるのに役立つ。

 

    しかし、本ガイドラインは、リバースホールドアップのリスクを増大させる可能性もある。本ガイドラインは実施者の善意の交渉義務を強調している一方で、FRAND原則に従ったライセンス料率の定量化に関する基準が不明確であること、および差し止め救済の制限が、ある程度実施者がリバースホールドアップを行う動機を高める恐れがある。パテントホールドアップとリバースホールドアップの効果的なバランスをいかに図るかは、依然として実務上の課題である。

 

    総括すると、本ガイドラインの公布は中国の知的財産権分野における独占禁止規制体系を補完し、標準必須特許関連の独占禁止の分析原則および規制手法を明確にし、SEP事件の解決に向けた実践的な指針と規範を提供しているが、多くのSEP権者および実施者が長年直面してきたすべての課題を解決したわけではなく、今後の同様の事件では依然として以下の課題に直面する可能性がある。

  1.     1. FRAND原則に従ったライセンス料率の定量化課題:本ガイドラインは不公平な高価格を判断する考慮要素を示しているものの、FRAND原則に従ったライセンス料率の定量化は依然として世界共通の課題である。今後の法執行実務において、合理的なライセンス料率を具体的に決定するには、経験の蓄積と手法の探求が依然として必要である。
  2.     2. 「善意の交渉」の認定の複雑性:善意の交渉は主観的意図に関わり、複雑な交渉プロセスを伴うため、両当事者が善意の交渉義務を果たしたか否かの効果的な立証と認定は、法執行・司法実務上の課題となる。
  3.     3. 本ガイドラインの非強制性と実効的拘束力:本ガイドライン自体に強制力はなく、その効力は主に事業者への参考情報の提供および法執行機関への指導として反映される。非強制的な枠組みの下でいかに市場行動を効果的に導くかは、実務においてその影響力を観察する必要がある。

 

まとめ

 

    「標準必須特許に関する独占禁止ガイドライン」は、中国におけるSEP独占禁止規制分野における重要なマイルストーンである。本ガイドラインは規制の枠組みを体系的に構築し、乱用行為の認定基準を細分化するとともに、FRAND原則、善意の交渉、事前・事中監督の重要性を強調している。本ガイドラインの公布は、SEP権者と実施者の市場行動を規範化し、FRAND原則に従ったライセンス交渉の円滑な進行を促進し、パテントホールドアップのリスクを低減するだけでなく、中国の独占禁止法執行機関に対してより明確な法執行の指針を提供するものである。FRAND原則に従ったライセンス料率の定量化や善意の交渉の認定などの課題は依然として存在するが、本ガイドラインは、知的財産権保護と公平な市場競争維持のバランスを図る中国の積極的な模索と重要な実践の証である。本ガイドラインの施行は、健全かつ秩序あるSEPエコシステムの構築、技術革新の活性化、最終的にはデジタル経済の持続的発展を促進する上で決定的な役割を発揮するだろう。

 

 

著者プロフィール:

    王勇氏は1991年に上海華東師範大学コンピュータ科学専攻を卒業し、学士号を取得した。1994年に中国科学院計算技術研究所の修士号を、2005年に中国人民大学の法学修士号を取得した。1991年~2006年まで中国特許代理(香港)有限公司に勤め、電気学部マネージャーを務めていた。2007年1月泛華偉業知識産権代理有限公司に加入した。 コンピュータハードウェア&ソフトウェア、通信技術、半導体装置及び製造技術、自動制御及び家電製品などの分野が得意である。特許出願文書の作成、審査指令の応答、再審請求、無効審判、特許行政訴訟、権利侵害訴訟、集積回路のレイアウト保護、コンピューターウェアーソフト保護などの方面に豊富な経験を持っている。

 

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